育毛界隈でささやかれる
「薄毛は遺伝」のウソ
薄毛遺伝子は存在しない!
「薄毛は遺伝する」というのが一般論として広く知られています。
確かに、両親が薄毛だった場合に子どもの髪の毛も薄くなってしまうというのはよくあるケース。しかし、一方で祖父母や親はまったく薄毛ではないのに、なぜか子どもだけが脱毛症に悩まされているというのもよくある話です。本当に薄毛は遺伝するのでしょうか?
まことしやかにささやかれている「薄毛遺伝説」の概要は、次の通りです。
男性ホルモン「テストステロン」と還元酵素「5αリダクターゼ」が結びつくことで、ジヒドテストステロン(DHT)が生成されます。DHTは毛の細胞内にあるアンドロゲン受容体と結びつくことで毛の成長を抑制するというメカニズム。このアンドロゲン受容体とDHTの結びつきやすさが遺伝します。
つまり、薄毛になりやすい体質は遺伝するものの、「この遺伝子を持っていたら確実に薄毛になる」という遺伝子は存在しないのです。
髪の毛は必ず生えてくるもの
未だに脱毛が遺伝するという説が広く信じられていますが、人の遺伝子に「髪の毛の消滅情報」は確認されていません。脱毛は遺伝子ではなく、別のところに原因があると考える方が自然でしょう。
髪の毛が担う役割は、大きく分けて2つあります。
一つは、身体の毒素や老廃物を体外に運び出す役割。もう一つは、気温の変化や衝撃から脳を守るための器官としての役割です。衝撃を和らげ、直射日光や熱さ・寒さから頭部を守っています。 生きている限りは途切れることのない老廃物を排出し、大切な脳を守る。生命維持に関わるほど重要な役割を与えられている髪の毛に「一定の年齢に達したら抜ける」というプログラムが組み込まれているのは、おかしな話ではないでしょうか。
遺伝を気にする前に生活習慣見直しを
一般に、薄毛は遺伝すると考えられています。実際に、父親や祖父が薄毛の家系を見ると、本人も薄毛である傾向が多いようにも感じられます。果たして、薄毛と遺伝は関係があるのでしょうか?これまで報告されてきた薄毛と遺伝に関する学説について、古い順から確認してみましょう。
【学説1】薄毛と遺伝は関連している
薄毛と遺伝に関連する本格的な研究論文が報告されたのは、1916年のアメリカ。生物学者のヘンリー・オズボーン氏が、5代にわたる22組の家系調査を行い「薄毛と遺伝は関連している」と結論付けました。
【学説2】母方からの遺伝情報も考慮する必要がある
その後、神経学者のサラモン氏や脱毛研究者のミューラー氏らの研究により、遺伝による薄毛を検討する際、男系のみならず女系の遺伝因子についても調べなければならない、と指摘。薄毛は、極めて多くの遺伝因子が複雑に関係して発症するもの、と結論付けました。
【学説3】母方の祖父の遺伝が強い
近年、AGAの原因には、X染色体に存在する男性ホルモン受容体遺伝子が関連していることが解明されました。男性の遺伝子に存在するX染色体は、母親から受け継がれるもの。よって母方の祖父が薄毛の場合、本人も薄毛になる確率が高くなる、と結論付けました。
【学説4】薄毛に関与すると考えられるDNA変異の発見
ロンドン大学を中心とする世界6カ国の共同研究チームは、20番目の染色体の中に、あるDNA変異を持つ男性がいることを発見。このDNA変異と、X染色体に存在する男性ホルモン受容体の影響をダブルで持つ人は、そうではない人に比べ、薄毛の発症率が7倍高くなると同チームは発表しました。
薄毛と遺伝との関係については、ほかにも多くの研究グループがさまざまな学説を発表しています。しかしながら現在までのところ、薄毛と遺伝との関係については、明確な結論を得られていません。
ただし、結論が得られていないとは言え、現状でも薄毛の原因と考えられているものは明確。遺伝に加え、食生活、精神状態、健康状態、誤ったヘアケアの計5種類です。
これら原因のうち、遺伝を変えることはできませんが、他の項目なら本人の意志次第で変えることができます。
家系に薄毛が見られる方は、遺伝を不安に思っても仕方ありません。遺伝以外の項目、すなわち生活習慣を改善して、薄毛の発症を予防するほうへと意識をシフトしてください。加えて、遺伝的な薄毛のリスクがありそうな人は、早めに予防のための行動をとることが大切です。
脱毛に繋がる要因
髪の毛が持つ本来の役割を考えれば、よほど特殊な症状を患っていない限り髪の毛が抜けてしまうことは考えにくいということが分かります。髪の毛が抜けてしまうのは、髪と頭皮について誤った認識を持ったまま、いたずらに頭皮状態を悪化させるケアを続けているからでしょう。
「脂性だからコンディショナーをつけない」「シャンプー時に頭皮をこすると薄毛になる」という話を信じ込んでしまい、かたくなに実行し続ける方。自分の父母や祖父母の頭を見て「いつか自分もこうなるのでは」という不安に駆られ、もともと健康だった髪の毛を痛めて脱毛症になってしまった方。薄毛は遺伝ではなく、頭皮の汚れを放置しているか、「遺伝するかもしれない」という不安によって過剰なヘアケアをしてしまうことが原因です。
-
頭皮が汚れでふさがれてしまう
- 頭皮に汚れがこびりついていると、毛母細胞へ十分な酸素が行き渡らなくなります。育毛剤で毛母細胞へ栄養を与えようとしても、汚れに邪魔をされて効果が薄れてしまうのです。
頭皮が汚れていると、皮膚がふさがれてしまうことで、抜け毛・薄毛の進行が早まってしまう恐れがあります。頭皮の皮膚呼吸が妨げられると毛母細胞へ十分な酸素が行き渡らなくなり、毛母細胞が弱ってしまいます。
-
洗浄力が強すぎるシャンプーを使っている
- 頭皮を清潔な状態に保つため、シャンプーは毎日行った方が良いのですが、シャンプー選びにも気をつけなければなりません。
特に、洗浄力が強すぎるシャンプーはNG。頭皮を守る皮脂まですっかり洗い流してしまい、頭皮を保護するためにますますたくさんの皮脂を分泌するようになってしまうからです。結果として脂性が悪化し、肌荒れを引き起こして脱毛が進んでしまうのです。
-
年齢による新陳代謝の低下
- 加齢によって髪の毛が細くなってしまうのは自然なことです。
歳を重ねるごとに新陳代謝が低下して毛母細胞に十分な栄養が行き渡らなくなり、生えてくる髪の毛がだんだん細くなってしまうからです。新陳代謝を高め、頭皮への栄養補給を目的とした育毛剤を使ってあげることで、加齢による薄毛にも対処できるでしょう。
-
飲む育毛剤やサプリメントの過剰摂取
- さまざまな育毛剤やサプリメントが普及するに伴って、栄養の過剰摂取による脱毛も増えています。
便で排出しきれなかった毒素は体内に蓄積され、血液に乗って頭皮に髪の毛に集まる仕組みです。吸収しきれなかった栄養は身体から排出されますが、毎日のように育毛剤やサプリメントを使っていると不純物が蓄積されてしまいます。薬も行き過ぎれば毒となるのです。
-
東田 雪子さん
エステティシャン引用元:株式会社ルチア
https://www.lucia-jp.com/ -
- 経歴
- 株式会社ルチア代表取締役
1988年厚生省認可社団法人日本厚生協会認定一級健康美学とエステティック技能士資格取得
1989年第3回サンテ・エステティシャンコンクール優勝
1990年エステティックスペシャルカウンセラー資格取得
その後株式会社ルチアを設立し育毛への研究開発に着手。
-
- 薄毛に悩む方へ
- 薄毛は簡単に治ります。エステティシャンとして長年美肌づくりに携わってきた私は、髪と肌の成分が同じと知って、自分の髪の悩みを解消すべく、髪の研究に没頭しました、そして、薄毛が治ることを確信しました。日焼けなどで失われてしまった表皮が再生するように、何らかの理由で失われてしまった髪も、適切な手入れを施せば必ず蘇ります。